こんにちは なっつです。
病院には大規模病院(大学病院、公立病院など)と中小規模病院(一般病院、個人病院など)がありますよね。
私は新卒で国立の大規模病院で勤めたあと、中小規模の個人病院へ転職しました。
転職先は経験したことのない科ばかりの病院だったので、ついて行けるか不安だったことを覚えています。
それに加え、大病院と個人病院では様々なギャップがあり、適応するのに時間がかかりました。
この記事では私の経験を元に、大病院と個人病院の違いや、転職後の注意点などをお伝えします。
・転職を控えている中堅看護師さん
・転職を考えている中堅看護師さん
・大病院、個人病院で働いている看護師さん
大規模病院と中小規模病院の違い
教育体制の違い
第一に教育体制が全く違います。
大病院では新卒から毎年、経験年数によって集合研修がある所があります。
新卒では技術研修から、各診療科の看護知識の講習、グループワークでの研修など様々なプログラムが準備されています。
経験年数が上がると、プリセプター研修やリーダー研修、看護研究の研修なども実施している所が多いです。
しかし、中小病院は研修内容に格差があります。そもそも新卒を採用しないところも多いので、新人研修が準備されていないところも多いです。
私の勤めていた病院では、研修はありましたが、看護部全体に対して、毎年同じ担当者が、同じ内容の研修を行うといった感じでした。
私が入職した当時も日々の業務に関しても、大規模病院ではプリセプター制度などフォロー体制が整っていましたが、中小病院だと具体的に担当者は決まらずに、日々困ったことがあればリーダーに相談といった形でした。
前職の中小病院では年々、中途採用者が増えてきたということもあり、入職後半年はプリセプターをつけて、フォローするという体制に最近変わりました。
面接の際などに入職後のフォロー体制などを質問しておくと良いと思います。
医療機器・看護物品・看護記録の違い
私自身は転職時、看護物品、医療機器の違いに一番ギャップを感じたかもしれません。
使い捨てではなく、再滅菌して使う物が多い
衛生用品(ガーゼや貼付剤など)が限られている
見たこともないような古いモニターや呼吸器
全くアセスメントされていない記録
清潔操作無視の医師達 等々
あげるとキリがありません
これって違うよねと思うことがあっても、
「ここのやり方はこうだから」
と流されることも多く、モヤモヤすることも多かったです。
コメディカルとの関係性
中小病院では大病院と比べて、コメディカルとの距離が近いです。
スタッフ数が少ない、病院での行動範囲が狭いということもあり、顔を合わせる回数が圧倒的に多いです。
大病院で勤務しているときはコメディカルの方の名前を極一部しか知りませんでしたが、中小病院ではほぼ全員の名前を覚えていました。
コメディカルとの距離が近く、なんでも聞きやすいというところは中小病院のメリットだと思います。
中堅看護師は転職先からこう思われている
即戦力として動ける
中堅看護師は前病院で経験を積んできているので、即戦力として動けることを期待されています。
経験した科が違っていたとしても、基本的な看護技術の部分ではそれほど違いはありませんので、ある程度は一人で動けると思われています。
また、ある程度仕事に慣れたら、スタッフの指導も依頼されます。
私の場合は入職後1カ月でリーダーを任され、
スタッフの指導もバリバリやらされていました。
(今考えるとよくできたなと感じますが、その時は人がほんとに少なくて、やらざるを得なかったのです。)
前職での委員会活動などの知識を発揮してほしい
中小病院では委員会活動についても、格差があります。
加算を届け出している場合などは、必然的に院内委員会として活動していると思います。(感染委員会、褥瘡委員会、医療安全委員会等)
病院独自で設定する委員会(教育委員会、記録委員会、マニュアル委員会等)は
設定されていても、具体的に活動内容が決まっていないことも多いようです。
私の前職でもそうでした。
]ただ、どの委員会も少人数で活動しているので、新たな知識が欲しい!と思っています。 前職で委員会活動をやっていた場合は、どんな活動していたのか教えて!!と言われること間違いなしです。
転職後気を付けること
何ができて、何ができないのかを最初に伝えておく
一番大事なことはこれです!
今まで経験してきた診療科、技術内容を伝える。
また、経験したことがあるけど、苦手なこと、不安なことも伝えましょう。
最初に伝えておかないと、後々「えっ!?こんなことも知らないの?」と言われてしまう可能性があります。
また、言わないままでいると、「これであってるのかな?でも今更聞けないな...」なんてことになるかもしれません。
師長さんや主任さんに伝えるのと同時に、
フォロー者が決まっている場合は、フォロー者、決まっていない場合は、よくフォローしてくれるスタッフにも伝えておきましょう。
転職先で初めて行う処置などは自分から伝える
前職で経験したことがある処置でも、転職先のやり方が全く違うなんてことは多いです。
特にDrの処置介助などはDrによってやり方が違う場合もあるので、
あらかじめフォローしてもられるように依頼しましょう。
Drにも「初めてつく処置なのでよろしくお願いします」など声をかけておくと、
分かりやすく指示をしてくれることが多いです。
細かいことですが、
注入食のスピードやサーフローの固定方法やチューブの固定方法なども
その病院によって方法が決まっているため、一つ一つ確認したほうがいいです。
気持ちを持っておいたほうがいいかもしれません。
転職先では新人という意識を持ち、まず仕事を覚える
中堅看護師で経験年数はある程度あっても、その職場では新入職者です。
自分より経験年数が少ない看護師に指導されることもあります。
自分は新人なのだという意識を持って、色々なことを経験させてもらいましょう。
経験を積む中で色々なギャップが見えてきて、
「え?こんなことするの?」
と思うことも少なくないですが、
一旦飲み込んで、その病院のやり方を一通り覚えてください。
入ったばかりの職場で
「このやり方おかしくないですか?エビデンスはあるんですか!?」
などといきなり言ってしまうと、
「何この人?来たばっかりで私たちのやり方否定して...嫌な感じ」
と思われかねません。
まず、一生懸命働く姿を周りのスタッフに見せて、信頼関係を作ることが大事です。
仕事を一通り覚えて、判断もできるようになれば、
スタッフからの印象も変わるはずです。
そのタイミングで疑問に思っていることを聞いてみるといいでしょう。
「ちょっと疑問なんですけど、なんで○○のようなやり方をしているんですか?
調べてみたところ、△△のやり方のほうが正しいと思うんですが…どう思います?」
と話が通じそうなスタッフに聞いてみましょう。
同じ大病院から転職してきたようなスタッフがいれば、その人に相談してもいいかもしれません。
「私もそれ疑問だったんだよね~」と言わないだけで、疑問に思っているスタッフもいます。
私の経験上もこのようなことが多々ありました。
しかし、不思議なことに、その職場に慣れてしまうと、
おかしいことをやっていても、おかしいと感じなくなるんですよね。
中途採用者のスタッフが色々疑問点を出してくれて、問題点に気づけたこともあります。疑問のままモヤモヤせずに、伝える時期を見計らって伝えてください!
まとめ
私の経験を元に、大病院と中小病院の違い、転職後の注意点についてまとめました。
転職するときはとても不安だし、様々なギャップもあり、ストレスフルな状況になると思います。
中堅看護師だと、ある程度のことはできるから、独りでも大丈夫だろうと思われがちです。
自分の今の状況を自分で発信していくということが大切です。
そうすることで、自分の状況に沿ったフォローをしてくれる可能性が高まります。
(本当に人手がなく、忙しい病院だと難しいかもしれませんが...)
少しでも、中堅看護師として転職する方の参考になれば幸いです。
注:この記事は私の経験に沿って書いたものですので、病院によって全く異なる場合もあると思います。疑問点などがある場合は、これを参考に面接の場等で病院の現状を確認してみてくださいね。